暑中お見舞い申し上げます。
泉区の皆様には日頃ご指導ご鞭撻を賜り深謝申上げております。
本日は、成熟した社会に有って日常考えております問題を述べまして、高覧に供させて頂きます。
宇宙の万物には、成長と衰退の時があると言われ、ローマ帝国、徳川幕府にしてもしかりであります。戦後、日本は、国土の復興と経済の発展、そして人々の豊かな暮らしを目指し、国民が汗まみれになって、仕事に生活に努力をした結果「経済大国」を実現し世界先進国の仲間入りを果たしました。
しかし、急激な発展と五十年が過ぎた日本型経済は手法、手段、組織の各部署で動脈硬化を起こし、そして、また世界型経済への新たな参入に伴い、大きな変革の岐路に立たされております。近隣諸国のアジアからの追い上げに遭い、バブル経済の崩壊と共に日本経済は失速状態であります。
この間の経済最優先、利益追求のあまり、無節操、無秩序、無責任が蔓延し、社会的破綻に進んでいるように思われて仕方がありません。現在社会における、今日的考えをまとめると次のようになります。
@ 自分のことだけしか考えない。
A 甘やかされて辛抱がない。
B 物事にけじめがつけられない。
C 正しいものと正しくないものに区別がつかない。
D 弱者への思いやりがない。
E プライドがない。
F 神を恐れない。
G 謙虚にならない。
H 感謝をしない。
I 物を大切にしない。
J 節約をしない。
果して、このような考え方で明るく豊かな心の社会・成熟社会の二十一世紀はやってくるのでしょうか。日本人の心はどこへ行ってしまうのでしょうか。
自由主義、個人主義、勝手主義、自己主張が強い、個性尊重が多様化などばかりで、責任、秩序、節操がありません。やはり、責任ある言葉、行動力で、自分の自由を主張する前に、他に迷惑をかけない人間として、生きるため最低の基準があっても良いのではないでしょうか。
この基準こそが、世界に通用し、国民が豊かで楽しい二十一世紀を迎えることができると確信をいたします。
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